卒業論文書かにゃならん
2007年01月05日
2006年06月25日
言葉にしなければ伝わらないって本当らしい
久しぶりに書きます。色々ありました。
これからはこっちにもこっそりとちょっとずつ書きます。
入試に備えて研究計画書、卒論なるものを書かなければなりませんのでパソコンに向かったはいいがいままであまりまともなレポートも書いてこなかったので、この溢れる想いをどう表現したらいいのか、大いに悩む。
とりあえず大まかに一枚分ほど書く。
実に大まかに。
面白いテーマだと思うから、いいものを書きたい。
限られた時間と限られた頭で。
2005年11月22日
もっと俺は俺で
授業中、たまたま先生に、
「シャボン玉って中国語でなんて言うんですか」って聞いたら、
「ぱおぱお(泡泡)」
って教えてもらいました。
・・・・かわいすぎ。
「ぱおぱお」 て
ちょっと中国語が好きになりました。
たとえば公園をヤクザが散歩してて、
「へい、アニキ、アイスクリーム買うてきました」
「おう、すまんのう、
お、わしの好きなチョコレートとバニラのミックスやないけ、心得とるのう、お前!
なんぼやった?こんで足るか、まあ取っとけ、釣りは要らんさかいに」
(壱万円札渡す)
「え、こんなに!アニキ、ほんますいません!ありやとござっす!」
「かめへんかめへん、おまえのコレに(小指立てる)なんかええもん食わしたれ、
お前ももうすぐ親父やのう!予定日いつや?」
「へい!!アニキ、ほんますいません!!
あと十日ほどですわ。
せやけど俺、アニキのためやったらいつでも死にまっさかいに!!」
「おいおい、そないに軽々しゅうに死ぬなんか言うたらアカンぞ、
嫁はんとまだ顔も見んお前のガキが路頭に迷うてしまうやないか」
「いや!俺ホンマにアニキのこと心から尊敬してますねん!
ほんまにいつでも命捨てる覚悟やさかいに!!!」
「・・・その言葉、ホンマやのう?」
「え?・・・あ、あ、は、はい・・」
「・・ほほお、そうかそうか、
いやな、実はな、東沢組との話よ。
お前も話に聞いとるやろが、
いよいよあそこがうちにとって目の上のたんこぶになってきよったんや。
そこでや、
色々考えたんやが、
あっこの若いもんにうちの若いもんが殺られる、
っちゅうことになったんやわ」
「え?何でっか?
それ、どういうことでっか?」
「ああ!?眠いやっちゃのう!おどれも!
東沢組のもんにうちの若いもんが殺られたら、
こっちはだまっとるわけにはいかんやろが!!」
「え、え、誰か殺られたんですか?」
「そう都合よく相手がうちのもんバラしてくれるか!!
ドあほ!!火の無いとこに煙立てる、
こういうことになったっちゅうとるんじゃ!!」
「ど、ど、どういうことですか、そ、そ、そそそそそそそそそそそそれって・・・」
「みなまで言わすなや!!この糞猿が!!!!
明朝や!足毛山の中で、お前の死体が発見される、
っちゅう段取りになった、ちゅうとるやろがボケナスがぁ!!!!」
「ちょちょちょちょちょちょちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!!
勘弁してくださいよ!!!
おおおおおおおおおおれ、
ななななななな何とかしてくくくく組の役に立ちますさかいに、
かかかかかかかかかかか堪忍してください!!!!!
たのんます!!この通りや!!!!!!!」
(土下座して顔を地面にこすりつける)
「おのれ今わしのために死にさらす言うたとこやないけ!!!
舌の根も乾かんうちに何抜かす!!!
今ここで組の役に立たんかいこの穀潰しがぁ!!!!!」
(頭を力いっぱい踏みつける)
「そそそそそそそそそそないなこと言うたかて、そんな!!
そんな、ほならうちの嫁はんはどないなりますんや!!!!!
子供は!!!!!ろろろろろろ路頭にままままま」
「・・・お前、アレほんまにお前のガキやと思うとるんか?」
「!!!!!!!!!!!!」
「あのな、
お前知らんやろうけどなぁ、
せやなあ、いつやったか忘れたけどな、
あの晩わしとおのれが酔っ払かってお前の家に転がり込んだことあったやろ?
お前すぐにアホ面さらして寝てまいよったけどな、
あれや、あのときや」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「わしも鬼や獣やないで。お前がおらんなったらきちんと責任はとるつもりや、のう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・もう・・
・・・・・・・・・・好きにしてください・・
・・・・・・」
「そうか、ほな良かった。おい、こいつ連れてけ」
(大勢の黒服が放心状態で地面に蹲る男を車でどこかに連れて
いく)
「やれやれ、やっと一仕事ついたわ、
カスが、軽はずみなこと言うからや。
ぐはははははははははは、
お、
ぱおぱおやないけ、
懐かしいのう、わしらも昔ようやったのう」
ってなって悲惨すぎるヤクザ物語もすこし和らぐような気がした。
すこしね。
「シャボン玉って中国語でなんて言うんですか」って聞いたら、
「ぱおぱお(泡泡)」
って教えてもらいました。
・・・・かわいすぎ。
「ぱおぱお」 て
ちょっと中国語が好きになりました。
たとえば公園をヤクザが散歩してて、
「へい、アニキ、アイスクリーム買うてきました」
「おう、すまんのう、
お、わしの好きなチョコレートとバニラのミックスやないけ、心得とるのう、お前!
なんぼやった?こんで足るか、まあ取っとけ、釣りは要らんさかいに」
(壱万円札渡す)
「え、こんなに!アニキ、ほんますいません!ありやとござっす!」
「かめへんかめへん、おまえのコレに(小指立てる)なんかええもん食わしたれ、
お前ももうすぐ親父やのう!予定日いつや?」
「へい!!アニキ、ほんますいません!!
あと十日ほどですわ。
せやけど俺、アニキのためやったらいつでも死にまっさかいに!!」
「おいおい、そないに軽々しゅうに死ぬなんか言うたらアカンぞ、
嫁はんとまだ顔も見んお前のガキが路頭に迷うてしまうやないか」
「いや!俺ホンマにアニキのこと心から尊敬してますねん!
ほんまにいつでも命捨てる覚悟やさかいに!!!」
「・・・その言葉、ホンマやのう?」
「え?・・・あ、あ、は、はい・・」
「・・ほほお、そうかそうか、
いやな、実はな、東沢組との話よ。
お前も話に聞いとるやろが、
いよいよあそこがうちにとって目の上のたんこぶになってきよったんや。
そこでや、
色々考えたんやが、
あっこの若いもんにうちの若いもんが殺られる、
っちゅうことになったんやわ」
「え?何でっか?
それ、どういうことでっか?」
「ああ!?眠いやっちゃのう!おどれも!
東沢組のもんにうちの若いもんが殺られたら、
こっちはだまっとるわけにはいかんやろが!!」
「え、え、誰か殺られたんですか?」
「そう都合よく相手がうちのもんバラしてくれるか!!
ドあほ!!火の無いとこに煙立てる、
こういうことになったっちゅうとるんじゃ!!」
「ど、ど、どういうことですか、そ、そ、そそそそそそそそそそそそれって・・・」
「みなまで言わすなや!!この糞猿が!!!!
明朝や!足毛山の中で、お前の死体が発見される、
っちゅう段取りになった、ちゅうとるやろがボケナスがぁ!!!!」
「ちょちょちょちょちょちょちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!!
勘弁してくださいよ!!!
おおおおおおおおおおれ、
ななななななな何とかしてくくくく組の役に立ちますさかいに、
かかかかかかかかかかか堪忍してください!!!!!
たのんます!!この通りや!!!!!!!」
(土下座して顔を地面にこすりつける)
「おのれ今わしのために死にさらす言うたとこやないけ!!!
舌の根も乾かんうちに何抜かす!!!
今ここで組の役に立たんかいこの穀潰しがぁ!!!!!」
(頭を力いっぱい踏みつける)
「そそそそそそそそそそないなこと言うたかて、そんな!!
そんな、ほならうちの嫁はんはどないなりますんや!!!!!
子供は!!!!!ろろろろろろ路頭にままままま」
「・・・お前、アレほんまにお前のガキやと思うとるんか?」
「!!!!!!!!!!!!」
「あのな、
お前知らんやろうけどなぁ、
せやなあ、いつやったか忘れたけどな、
あの晩わしとおのれが酔っ払かってお前の家に転がり込んだことあったやろ?
お前すぐにアホ面さらして寝てまいよったけどな、
あれや、あのときや」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「わしも鬼や獣やないで。お前がおらんなったらきちんと責任はとるつもりや、のう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・もう・・
・・・・・・・・・・好きにしてください・・
・・・・・・」
「そうか、ほな良かった。おい、こいつ連れてけ」
(大勢の黒服が放心状態で地面に蹲る男を車でどこかに連れて
いく)
「やれやれ、やっと一仕事ついたわ、
カスが、軽はずみなこと言うからや。
ぐはははははははははは、
お、
ぱおぱおやないけ、
懐かしいのう、わしらも昔ようやったのう」
ってなって悲惨すぎるヤクザ物語もすこし和らぐような気がした。
すこしね。
2005年10月22日
ゼリーの海の泳ぎ方
やっと、広東語を本格的に習いはじめました。
短期決戦で勝負を決めなければならないので、先生を頼んで個人指導してもらうことにしました。
中国人同士でもわからんといわれるように、標準中国語と広東語の音の隔たりは相当なものです。
でも、文法的な隔たりは音声ほど大きなものではなく、多くの語彙は共通なものなので、まず頭で普通話の文を組み立てて、それを順番に広東語の音で読んでゆくと大体はなんとかなります。
新しくフランス語やインドネシア語やタガログ語を学ぶよりよっぽど楽。
今はせっせと漢字の読み方を辞書で調べたりしております。
声調は6つで(厳密には9つ)、確かに多いといえば多いのですが、すでに声調のなんたるかを心得た者にとってはさしたる障害とはならないでしょう。
しかし当然ながら3年勉強した普通話よりも、しゃべるのにはエネルギーを要します。
普通話をしゃべるときは、プールの中で泳いでいるような感じ。すごく体が重く感じるし、息継ぎしたくなる。
広東語をしゃべるときはゼリーの中で泳がされている感じであります。
不自由なること山の如し。
しばらくゼリーの中で泳いだをあと、普通話のプールに戻ってくると、体が幾分軽くなったような気がします。
『ドラゴンボール』で悟空が地球の何倍もの重力の下で修行して強くなったように、広東語を使うことで普通話も進歩したらいいのになあ、と、虫のいいことを考えたりします。
ちなみにほとんど中国語を解さないオーストラリア人留学生と英語で話すときは、全身をコンクリートで固められて東京湾に投げこまれたような感じになります。
2005年10月13日
近くて近い隣国
通っている大学の作文の先生は、
男の先生で、年齢は五十の手前といったところ、
めがねをかけ、髪は寝ぐせがのこり、無精ひげも生えている。
お世辞にも、ダンディーな先生とは言いがたい人なのだが、
落ち着いたたたずまいで、
教室ではゆっくりと、かみ締めるように、
細い体に似つかわぬ、よく通る大きな声で講義をし、
常に自分の授業に対する意見を学生にもとめ、
よりよい授業を作ることを追求している、
教師魂の熱く燃える先生である。
この学校ではさわやかな笑顔のスポーツマン先生がえらい人気だが、
ぼくはこの先生が一番すきである。
この先生、日本の大学で中国学科に在籍し、
中国語を専門に学んでいるぼくに興味があるようで、
授業後にはいつもぼくのところに来て、授業はどうか、
日本で専門に習ってきた君の意見を聞きたい、
などと言ってくれて、とてもありがたい。
しかし、少し困ることがある。
近いのである。距離が。
顔の距離が。
五メートルほど先から先生があるいてくる。
足取りはゆっくりである。
目線はぼくの目をまっすぐとらえている。
二人の人間が立ち話をするのにちょうどよい距離、
というのがある。
人によってそれは異なるようで、
ボクシングをしている人は、無意識のうちに、
あいての腕の長さの外に立つ、
というような話も聞いたことがある。
先生がその距離に到達する。
ぼくは先生がそこで停止することを期待する。
しかし、先生はそこから、さらに、
もう一歩、
力強く踏み出してくる。
二人の身長は同じくらいである。
顔はほぼ同じ高さにある。
近い。
実に近い。
どのくらい近いかというと、
焦点が合わない
先生は意に介さぬ様子で、
今日の授業はどうだったか、
何か意見はないか、
と、問うてくる。
大きいのである。声が。
どのくらい大きいかというと、
教室で大勢の前で話すときのボリューム
ぼくは、
なんて近いだろう、
そして、なんて大きいんだろう、
と思いながら、
先生の鼻毛など眺めつつ、
「ええ、やっぱり学生にたくさん練習をさせる先生のやり方は、すごくいいと思います」
などと、わかった風なことをうそぶいている。
男の先生で、年齢は五十の手前といったところ、
めがねをかけ、髪は寝ぐせがのこり、無精ひげも生えている。
お世辞にも、ダンディーな先生とは言いがたい人なのだが、
落ち着いたたたずまいで、
教室ではゆっくりと、かみ締めるように、
細い体に似つかわぬ、よく通る大きな声で講義をし、
常に自分の授業に対する意見を学生にもとめ、
よりよい授業を作ることを追求している、
教師魂の熱く燃える先生である。
この学校ではさわやかな笑顔のスポーツマン先生がえらい人気だが、
ぼくはこの先生が一番すきである。
この先生、日本の大学で中国学科に在籍し、
中国語を専門に学んでいるぼくに興味があるようで、
授業後にはいつもぼくのところに来て、授業はどうか、
日本で専門に習ってきた君の意見を聞きたい、
などと言ってくれて、とてもありがたい。
しかし、少し困ることがある。
近いのである。距離が。
顔の距離が。
五メートルほど先から先生があるいてくる。
足取りはゆっくりである。
目線はぼくの目をまっすぐとらえている。
二人の人間が立ち話をするのにちょうどよい距離、
というのがある。
人によってそれは異なるようで、
ボクシングをしている人は、無意識のうちに、
あいての腕の長さの外に立つ、
というような話も聞いたことがある。
先生がその距離に到達する。
ぼくは先生がそこで停止することを期待する。
しかし、先生はそこから、さらに、
もう一歩、
力強く踏み出してくる。
二人の身長は同じくらいである。
顔はほぼ同じ高さにある。
近い。
実に近い。
どのくらい近いかというと、
焦点が合わない
先生は意に介さぬ様子で、
今日の授業はどうだったか、
何か意見はないか、
と、問うてくる。
大きいのである。声が。
どのくらい大きいかというと、
教室で大勢の前で話すときのボリューム
ぼくは、
なんて近いだろう、
そして、なんて大きいんだろう、
と思いながら、
先生の鼻毛など眺めつつ、
「ええ、やっぱり学生にたくさん練習をさせる先生のやり方は、すごくいいと思います」
などと、わかった風なことをうそぶいている。
2005年10月04日
広東省人間市で学ぶ人間話
一ヶ月ほど経ちました。
ここには基本的に本当のことは書かない方針なのだけど、
日本とは違う環境に身を置いていると頭が現実的になってきました。
ので本当のことを書きます。
広東省広州市は都会です。
人間多いです。
10月1日は国慶節といって、中国の建国記念日です。
1日から一週間ほど、休みになります。
5月にも「労働節」という連休があって、
中国ではこの二つの大型連休がすなわち「黄金週」です。
今は連休の真っ只中なので、街は特に人間がたくさんいて、もう人間だらけ。
「広州市」というよりも「人間市」という感じです。車もてんこもり。
まあ都会ではどこでもそんな感じでしょう。
街では広東語と普通話が半々くらいで聞こえてきて、
普通話は通じてしまいます。
わざわざヘタクソな普通話以上にヘタクソな広東語を使う意味がなくて、学習は一向にはかどりませぬ。
コミュニケイションのために、人間市で広東語を学習する意味はあまりないんかも知れん。
どうするんだろう。あほかもしれん。
ここには基本的に本当のことは書かない方針なのだけど、
日本とは違う環境に身を置いていると頭が現実的になってきました。
ので本当のことを書きます。
広東省広州市は都会です。
人間多いです。
10月1日は国慶節といって、中国の建国記念日です。
1日から一週間ほど、休みになります。
5月にも「労働節」という連休があって、
中国ではこの二つの大型連休がすなわち「黄金週」です。
今は連休の真っ只中なので、街は特に人間がたくさんいて、もう人間だらけ。
「広州市」というよりも「人間市」という感じです。車もてんこもり。
まあ都会ではどこでもそんな感じでしょう。
街では広東語と普通話が半々くらいで聞こえてきて、
普通話は通じてしまいます。
わざわざヘタクソな普通話以上にヘタクソな広東語を使う意味がなくて、学習は一向にはかどりませぬ。
コミュニケイションのために、人間市で広東語を学習する意味はあまりないんかも知れん。
どうするんだろう。あほかもしれん。
2005年09月09日
フジヤマ サムライ スシ 人体
中国でもギターを習ってます。
先生は三十台半ばくらいの男の人で、浅黒い肌の、いかにも南方の中国人という感じです。
レッスンの後にいろいろお話をします。
といっても先生は早口で、しかも相当訛りのある中国語なので、それについていくのがやっと。
ほとんど聞いてばかりいます。
食べ物の話になって、
「いやー、オレはスシは食えんねー、ナマ魚はとてもとても」
とか言って、
「そうそう、日本では「人体宴」ってのがあるんだろ?」
と聞いてきます。
はて、
「人体宴」?
耳慣れない言葉。
「いや、中国ではめったにないけど、日本では結構普及してるって話だよ」
????
「人体宴」?
「人体宴」 実に物騒な名称の宴である。
人肉?
それはむしろ中国の方が普及しているのでは、
と思って、「人体宴」がどういうものかという説明をしてもらうと、
これのことでした。
人体宴
ないです。
普及してないです。
ファミレスのメニューにも無いし、回転人体宴とかも無いです。
2005年09月07日
水面に咲く朝の蝶
中華人民共和国、広東省の、とある大学にて
ここの朝は、早い。
祖国日本のある方向から、ゆっくりと、薄明かりの広がってくる午前四時、
留学生宿舎からは、さまざまな肌の色をした人間たちが、
乱れた髪も、まだ洗っていない顔にも、前後ろ逆のシャツにもかまわないで、
ものすごいスピードで、ものすごい顔で飛び出してくる。
国際文化学院 忍法速習班の朝は、こうして始まる。
朝の散歩にやってきた老人が、
遊びつかれて帰ってきた若者が、
食堂の開店準備に来た中年女性が、
街の暮らしに疲れ、足取りの重い中年男性が、見ている。
留学生楼の前に、大きな池がある。
午前四時に、その池のほとりに、番号順に整列していなければならない。
遅刻すればその日は、日没まで、周囲には、ぺんぺん草の一本も生えていない、
ごつごつした小石の転がるだだっ広い広場で、
九月とはいえ最高で摂氏三十四度にもなるここ広州の、
照りつける太陽のしたで正座をしていなければならない。
今日は二人遅刻した。
彼らは言い訳の通用しないことを知っている。
教師の、まともに相対すれば息もつまってしまうような、
するどい目線に追われ、彼らは例の場所へと向かう。駆け足で。
教師はそれを見届けると、整列しているぼくたちを見る。
数を数え、
まだ出てきていない人間のいることを知る。
教師たちが宿舎の玄関に消えてゆく。
絶叫ののち、悲鳴。
そして静寂。
二人が足を引きずりながら現れ、そして例の場所へ向かう。
教師が現れる。肩には一人の女生徒。
どうやら気を失っているらしい。
教師が先にゆく二人を呼び戻す。
二人が女生徒を運んでいった。
ようやく朝錬が始まる。
「練」ではなくて、「錬」だ。
まずは基本の準備体操。
腕立て伏せ腹筋背筋を二百回とあと色々あるのだが割愛する。
そして、眼前の池に浮かべられているのは、
魚を輸送するときにに使うような発泡スチロールの箱、
その、ふた、の部分だ。
それが無数にある。
対岸までおよそ三十メートル。
渡る。
水はあまりきれいではない。マクドナルドの包み紙などが浮かんでいる。
おもしろいようにドボドボと、みな池にはまってゆく。
どっかヨーロッパの辺から来たらしい、デービスとかいうやつが特に下手だ。
ぼくも当然苦戦する。
でも、近頃わかってきた。
体だけじゃなく、心も軽く、ふわふわと飛ばないことには、
この身を池の向こうに運ぶことはかなわぬということを。
忍者発祥の地から来た人間として、どうしてもここは譲れない。
次々と水面下に消えていくクラスメイトを尻目に、
一枚、
二枚、
渡る。
何も考えてはならない。
体の重量は関係ない。
心を軽く、
無に、
無
三枚、四枚、・・・・・九枚、
十枚、
岸までおよそ5メートル、
あと一枚飛べば、
渡れる。
そんなことを考えてしまったのがよくなかった。
右足が再び、重力のねばねばとした手に絡めとられ、
スチロールのふたはひっくり返り、
ぼくはあっというまに、濁った水の中。
目覚ましが鳴っている。七時半。
顔を洗い、歯を磨き、ニュースを少し見て、着替え、
教科書をかばんに入れ、朝ごはんを食べに食堂に行く。
そんな風に留学生の一日が始まる。
ここの朝は、早い。
祖国日本のある方向から、ゆっくりと、薄明かりの広がってくる午前四時、
留学生宿舎からは、さまざまな肌の色をした人間たちが、
乱れた髪も、まだ洗っていない顔にも、前後ろ逆のシャツにもかまわないで、
ものすごいスピードで、ものすごい顔で飛び出してくる。
国際文化学院 忍法速習班の朝は、こうして始まる。
朝の散歩にやってきた老人が、
遊びつかれて帰ってきた若者が、
食堂の開店準備に来た中年女性が、
街の暮らしに疲れ、足取りの重い中年男性が、見ている。
留学生楼の前に、大きな池がある。
午前四時に、その池のほとりに、番号順に整列していなければならない。
遅刻すればその日は、日没まで、周囲には、ぺんぺん草の一本も生えていない、
ごつごつした小石の転がるだだっ広い広場で、
九月とはいえ最高で摂氏三十四度にもなるここ広州の、
照りつける太陽のしたで正座をしていなければならない。
今日は二人遅刻した。
彼らは言い訳の通用しないことを知っている。
教師の、まともに相対すれば息もつまってしまうような、
するどい目線に追われ、彼らは例の場所へと向かう。駆け足で。
教師はそれを見届けると、整列しているぼくたちを見る。
数を数え、
まだ出てきていない人間のいることを知る。
教師たちが宿舎の玄関に消えてゆく。
絶叫ののち、悲鳴。
そして静寂。
二人が足を引きずりながら現れ、そして例の場所へ向かう。
教師が現れる。肩には一人の女生徒。
どうやら気を失っているらしい。
教師が先にゆく二人を呼び戻す。
二人が女生徒を運んでいった。
ようやく朝錬が始まる。
「練」ではなくて、「錬」だ。
まずは基本の準備体操。
腕立て伏せ腹筋背筋を二百回とあと色々あるのだが割愛する。
そして、眼前の池に浮かべられているのは、
魚を輸送するときにに使うような発泡スチロールの箱、
その、ふた、の部分だ。
それが無数にある。
対岸までおよそ三十メートル。
渡る。
水はあまりきれいではない。マクドナルドの包み紙などが浮かんでいる。
おもしろいようにドボドボと、みな池にはまってゆく。
どっかヨーロッパの辺から来たらしい、デービスとかいうやつが特に下手だ。
ぼくも当然苦戦する。
でも、近頃わかってきた。
体だけじゃなく、心も軽く、ふわふわと飛ばないことには、
この身を池の向こうに運ぶことはかなわぬということを。
忍者発祥の地から来た人間として、どうしてもここは譲れない。
次々と水面下に消えていくクラスメイトを尻目に、
一枚、
二枚、
渡る。
何も考えてはならない。
体の重量は関係ない。
心を軽く、
無に、
無
三枚、四枚、・・・・・九枚、
十枚、
岸までおよそ5メートル、
あと一枚飛べば、
渡れる。
そんなことを考えてしまったのがよくなかった。
右足が再び、重力のねばねばとした手に絡めとられ、
スチロールのふたはひっくり返り、
ぼくはあっというまに、濁った水の中。
目覚ましが鳴っている。七時半。
顔を洗い、歯を磨き、ニュースを少し見て、着替え、
教科書をかばんに入れ、朝ごはんを食べに食堂に行く。
そんな風に留学生の一日が始まる。
2005年06月30日
男たちの挽歌
人がチケットをくれたので、スポーツを見に行った。
どういうスポーツかというとちょっと説明するのが難しい。
土の部分と草の部分に分かれただだっぴろい広場で、10人ぐらい対10人ぐらい、計20人くらいの大人の男性が競うスポーツらしい。
らしい、というのはぼくがこのスポーツにあまり詳しくないからである。
競う、というのも具体的には何を競うのかよくわからない。
片方のチームの男がこぶし大の球を投げて、もう片方のチームの男が何か棒のようなものでそれを殴らんとしているあたりにヒントがあると思う。
しかしよくよく観察してみると、競っている男たちは誰もみな、けつがプリプリだということに気づいた。
棒を構える男も、球を投げる男も、棒で殴られた球を拾わんと待ち構える男もみんなプリプリ。
おそらく彼らはけつのプリプリさを競っているのだ、という結論に至る。
棒や球はそれを強調するための小道具にすぎない。
彼らは一球投げ終わると、すぐに次を投げるようなことはせず、何かを確認しているのか、そわそわソワソワしている。
棒や球が直接勝負に関係しているのではなく、あくまでも小道具であることを示している。
観客たちも、その、間。のようなものに大いに魅せられているようだ。
彼らが背中に付けている番号はおそらく、チーム内でのプリ度の順位であるに違いない。
それでは棒を持って出て行く順番はどうなのか、もしかするとこちらがプリ度の順位なのかもしれない。
とにかくぼくは、男たちの晴れ舞台を見逃すまいと、食い入るようにして、彼らのステージに注目していた。
会場がドッと沸きかえった。
みな、メガホンのようなものをバコバコ鳴らしている。
一人の選手が球をバットで殴ることに成功し、彼から見て右のほうにある白い四角い物体に向かって一目散に駆け出したからである。
ここにきてぼくは先ほどの推測に間違いのないことを確信する。
走ってゆく男のけつがプリプリだったからだ。
「なるほど、棒を構えたときの姿も悪くないが、やはり筋肉が躍動してこそのけつ。ただ素材を素材として見せつけるのではなく、最大限にその持ち味を引き出している!」
美味しんぼに出てくる審査員のようなことを口走ってしまうありさま。
棒で球を殴る、ということは、走ることができる、ということであり、
走ることができる、ということは、けつをアピールできる、ということである。
それだけ勝利が近くなるのだ。
そして先ほどの走っていた男は引き続き白い物体の付近に居座り、さらに再び自らをアピらんがため、虎視眈々とその機会をうかがって、
球を投げる男は、もはやこれ以上彼の引き締まったけつを観客にアピールされては自チーム勝利が危うくなるため、ひたすらにそれを防がんとする。
緊迫した駆け引きの連続であった。
そうしておよそ3時間半もたくましい男たちの鍛え上げられたけつを眺めてすごしたぼくは、もはや勝ち負けも知らず、帰りの乗車率300パーセントの満員電車の中、人々にもまれながら、熱にうかされたようにして家路についたのであった。
どういうスポーツかというとちょっと説明するのが難しい。
土の部分と草の部分に分かれただだっぴろい広場で、10人ぐらい対10人ぐらい、計20人くらいの大人の男性が競うスポーツらしい。
らしい、というのはぼくがこのスポーツにあまり詳しくないからである。
競う、というのも具体的には何を競うのかよくわからない。
片方のチームの男がこぶし大の球を投げて、もう片方のチームの男が何か棒のようなものでそれを殴らんとしているあたりにヒントがあると思う。
しかしよくよく観察してみると、競っている男たちは誰もみな、けつがプリプリだということに気づいた。
棒を構える男も、球を投げる男も、棒で殴られた球を拾わんと待ち構える男もみんなプリプリ。
おそらく彼らはけつのプリプリさを競っているのだ、という結論に至る。
棒や球はそれを強調するための小道具にすぎない。
彼らは一球投げ終わると、すぐに次を投げるようなことはせず、何かを確認しているのか、そわそわソワソワしている。
棒や球が直接勝負に関係しているのではなく、あくまでも小道具であることを示している。
観客たちも、その、間。のようなものに大いに魅せられているようだ。
彼らが背中に付けている番号はおそらく、チーム内でのプリ度の順位であるに違いない。
それでは棒を持って出て行く順番はどうなのか、もしかするとこちらがプリ度の順位なのかもしれない。
とにかくぼくは、男たちの晴れ舞台を見逃すまいと、食い入るようにして、彼らのステージに注目していた。
会場がドッと沸きかえった。
みな、メガホンのようなものをバコバコ鳴らしている。
一人の選手が球をバットで殴ることに成功し、彼から見て右のほうにある白い四角い物体に向かって一目散に駆け出したからである。
ここにきてぼくは先ほどの推測に間違いのないことを確信する。
走ってゆく男のけつがプリプリだったからだ。
「なるほど、棒を構えたときの姿も悪くないが、やはり筋肉が躍動してこそのけつ。ただ素材を素材として見せつけるのではなく、最大限にその持ち味を引き出している!」
美味しんぼに出てくる審査員のようなことを口走ってしまうありさま。
棒で球を殴る、ということは、走ることができる、ということであり、
走ることができる、ということは、けつをアピールできる、ということである。
それだけ勝利が近くなるのだ。
そして先ほどの走っていた男は引き続き白い物体の付近に居座り、さらに再び自らをアピらんがため、虎視眈々とその機会をうかがって、
球を投げる男は、もはやこれ以上彼の引き締まったけつを観客にアピールされては自チーム勝利が危うくなるため、ひたすらにそれを防がんとする。
緊迫した駆け引きの連続であった。
そうしておよそ3時間半もたくましい男たちの鍛え上げられたけつを眺めてすごしたぼくは、もはや勝ち負けも知らず、帰りの乗車率300パーセントの満員電車の中、人々にもまれながら、熱にうかされたようにして家路についたのであった。
2005年06月23日
居候くん
「なんたらかんたら留学日記!!!」
みたいなところを時々盗み読んでいる。
はやくぼくも外国にゆきたい。と思う。
はやく外国に行って、んでもって外国の人と一緒に住むことになって、
「今日韓国人ルームメイトのパクくんと日韓の歴史的認識の食い違いについて口論になった。
議論が白熱しすぎて、ちょっと喧嘩くさくなってきたところで、お互いに少し頭冷やして、
『やっぱしこうやってわてらみたいに一人ひとりをわかりあうことから始めていけばよいよね。
結局同じ人間なんだからきっとわかりあえるね。
それにしてもキムチ美味しいね、パクくん☆』
その後二人なかよくキムチをバケツに二杯半朝までかかって食した。」
みたいな記事をばんばんアップロードしてやりたい。
サーバーがひいひいいうくらい。
人間が一緒に生活するにはとかく摩擦が絶えないが、
文化的バックグラウンドがことなるとまさにもうえらいことになりそうでコワい楽しそう。
そういう経験をすることで、人間をもっと自由な目で見れるようになるんだろうね。
ぼくなんかは先日深夜に窓の外にものすごい光を目撃して、
あわててベランダに駆け出してみたところ、
真っ青ですべすべの肌で子供くらいの背丈、
白目がなくて真っ黒なくりくりの目玉をした変なやつがナサケナイ顔でこっち見てたから仕方なく部屋に置いてやっているけど、
頭でも打って記憶飛んだか言語野がやられたか、
名前やその他なに聞いてもシンセサイザーみたいな声色でキュイキュイ言うだけでさっぱり話ができんしジェスチャーもいまいちわかってもらえないし、
もしかしていわゆるキ印の人なんかもしれんけど時々窓から火星の方指差してキーキー言ってるから星とか好きな天文マニアなんかなあと思うけど、
とにかくよくわからんやつが居候してて、
でもそんなやつのことは別にどうでもよくて、
はやく留学日記書いてる人らみたいに異国の人と起居をともにして、異文化交流とやらをかましてやりたいです。
青いやつはマカロニが好きです。
みたいなところを時々盗み読んでいる。
はやくぼくも外国にゆきたい。と思う。
はやく外国に行って、んでもって外国の人と一緒に住むことになって、
「今日韓国人ルームメイトのパクくんと日韓の歴史的認識の食い違いについて口論になった。
議論が白熱しすぎて、ちょっと喧嘩くさくなってきたところで、お互いに少し頭冷やして、
『やっぱしこうやってわてらみたいに一人ひとりをわかりあうことから始めていけばよいよね。
結局同じ人間なんだからきっとわかりあえるね。
それにしてもキムチ美味しいね、パクくん☆』
その後二人なかよくキムチをバケツに二杯半朝までかかって食した。」
みたいな記事をばんばんアップロードしてやりたい。
サーバーがひいひいいうくらい。
人間が一緒に生活するにはとかく摩擦が絶えないが、
文化的バックグラウンドがことなるとまさにもうえらいことになりそうでコワい楽しそう。
そういう経験をすることで、人間をもっと自由な目で見れるようになるんだろうね。
ぼくなんかは先日深夜に窓の外にものすごい光を目撃して、
あわててベランダに駆け出してみたところ、
真っ青ですべすべの肌で子供くらいの背丈、
白目がなくて真っ黒なくりくりの目玉をした変なやつがナサケナイ顔でこっち見てたから仕方なく部屋に置いてやっているけど、
頭でも打って記憶飛んだか言語野がやられたか、
名前やその他なに聞いてもシンセサイザーみたいな声色でキュイキュイ言うだけでさっぱり話ができんしジェスチャーもいまいちわかってもらえないし、
もしかしていわゆるキ印の人なんかもしれんけど時々窓から火星の方指差してキーキー言ってるから星とか好きな天文マニアなんかなあと思うけど、
とにかくよくわからんやつが居候してて、
でもそんなやつのことは別にどうでもよくて、
はやく留学日記書いてる人らみたいに異国の人と起居をともにして、異文化交流とやらをかましてやりたいです。
青いやつはマカロニが好きです。

